「理由は二つ書けた。でも、そのあとに何を足せばよいか分からない」。英検準2級のライティングで、こんなところで手が止まっていませんか。「便利です」「役に立ちます」を何度言い換えても、説明が深くなったとは限りません。
この段階で練習したいのは、新しい理由を増やすことではなく、すでに選んだ理由を読み手に見える形へ変えることです。今回は、中高生が家庭で取り組めて、保護者も内容を確かめやすい「理由の広げ方」を整理します。
結論:具体例は理由を分かりやすくするために書く

具体例の役割は、語数を埋めることではありません。「その理由なら、なぜあなたの意見を支えられるのか」を読み手に伝えることです。例えば、学習動画を利用する利点として「自分のペースで学べる」と書いたなら、「分からなかった部分を繰り返し見られる」と続けると、意味がはっきりします。
英検公式の採点案内でも、意見に合う理由に説明や具体例を添え、論理を深めることが勧められています。「For exampleを必ず使う」「具体例を各理由に一文ずつ書けば得点が決まる」という意味ではありません。理由が十分伝わるなら、結果や仕組みを説明する方法も使えます。
準2級のライティングはEメールへの返信と意見論述の二題です。この記事は意見論述を扱います。形式と採点の考え方は、英検公式・準2級の試験内容と意見論述の採点観点で確認しました(2026年9月2日確認)。
「誰が・どんな場面で・何ができる」で広げる

「便利だから」で止まったら、次の三つを日本語で埋めてみましょう。全部を英文にする必要はありません。理由を具体化する材料を見つけるための問いです。
1.誰にとっての利点なのか
生徒、保護者、先生など、問題文の対象に合わせます。「生徒にとってよいか」と聞かれているのに、説明が会社の利益だけに移っていないかを確かめます。
2.どんな場面で役立つのか
授業の説明が一度で分からなかったとき、家で復習するときなど、場面を一つに絞ります。曜日、場所、登場人物を細かく設定しすぎると、理由よりも物語の説明が長くなります。
3.そのとき何ができるのか
「理解が深まる」といった大きな言葉だけでなく、「難しい部分をもう一度見る」のように行動を表します。すると、知っている英語に置き換える道筋も見えます。
次は、この考え方で作ったオリジナルの部分例です。全文の模範解答ではありません。
Students can study at their own pace. For example, they can watch a difficult part of a lesson again.
「生徒は自分のペースで勉強できる。例えば、授業の難しい部分をもう一度見ることができる」という流れです。具体例が、直前の「自分のペース」の意味を説明しています。この二文の関係を作ることが練習の中心です。
具体例を書いたあとに確認したい二つのずれ

言い換えただけになっていないか
「便利です。とても役立ちます」では、二文になっても新しい情報がほとんど増えていません。二文目を隠して読んだときと比べ、状況が具体的に分かるようになったかを確認しましょう。
別の理由に話が移っていないか
「時間を節約できる」の説明として急に「友達が増える」と書くと、二文のつながりが見えません。どちらも利点でも、後者は別の理由です。「移動せずに学べるので、その時間を復習に使える」のように、直前の理由へ戻れる説明にします。
具体例を読んだあと、「だから、さっきの理由が言える」と戻れるかが一つの目安です。戻れなければ、つなぎ言葉を足す前に内容を直します。自分の意見に反する説明を混ぜないことも大切です。
家庭でできる練習と保護者の確認ポイント

最初は全文を書かず、理由一つと説明一つだけで練習します。次の順番を、無理のない短い学習時間に取り入れてください。
- 以前書いた答案から、説明の短い理由を一つ選ぶ。
- 「誰が・どんな場面で・何ができる」を日本語でメモする。
- 一番伝わりやすい説明を一つ選び、知っている英語にする。
- 理由と説明を続けて読み、つながりを自分の言葉で話す。
保護者の方は、先に立派な例を教えるより、「それは、どんなときに役立つの?」「前の理由とどうつながるの?」と尋ねてみてください。英語の細かな採点はできなくても、日本語で説明がつながるかは一緒に確認できます。
日本語でも説明できないなら内容作りを、説明できるのに英文が出ないなら表現や文法を練習します。理由そのものがまだ出てこない場合は、理由を見つける5つの視点から始めると取り組みやすくなります。
添削や塾への相談を考えたい目安

説明を足すと毎回テーマから外れる、添削された文は覚えられても別のテーマで使えない、日本語のメモから英文へ移ると止まる。このような状態が続くときは、答案と書く前のメモを一緒に見てもらうと、直す順番を整理しやすくなります。
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